朝日塾個別教室

小論文の話 3

 前回は「小論文には正解がある」という話でしたが、今回は「小論文の正解とは如何なるものか」について述べてみたいと思います。

 小論文の正解とは、一言で表現するなら、一般論です。出題されたテーマについて、新聞などで論じられているような一般的な議論を展開すれば正解となります。
 小論文のHow-to本を見てみると、良い小論文の条件として、「独創性」や「独自性」を挙げているものがあります。間違いとは言いませんが、正解の必要条件ではありません。
 そもそも、ほとんどの高校生には、いや大人ですら、独創的な小論文を書くことは難しいはずです。下手に「独創性」を追い求めれば、奇を衒うだけの文章になりかねません。大学の先生方もそんなことは期待していないはずです。
 多くの高校生にとって、新聞の評論やテレビでの討論番組で、知識人が述べていることは難解なはずです。仮に、知識人たちと同程度の議論が展開できるなら、「たいしたものだ」という評価を必ずや受けることでしょう。
 したがって、小論文の目標は、テレビや新聞で言われていることを理解し、それを自分で表現できるようになることなのです。