朝日塾個別教室

国語の勉強 1~現代文ができない理由~

 日本人なんだから日本語はできて当たり前――といいたいところですが、意外に得意な人が少ないのが現代文。苦手とまではいかなくても、得点が安定しないという悩みもよく聞きます。
 では、なぜ現代文は難しいのでしょうか。

 まずは評論文について。
評論文を読んだとき、文の意味がわからないことがある人、原因は、まず間違いなく知識不足です。何に関する知識かといえば、内容に関する知識です。
 現代文を得意とする人は「読めばわかる」と言いますが、実は文というものはそれ相応の知識がなければ理解できないものなのです。例えば、新聞のすべての記事を読んで、全部理解できる人は相当な知識人です。政治や経済はもちろん、教育、スポーツ、料理に囲碁・将棋、記事を読んで理解するにはその事項に関する知識が必須です。
 評論文では言語、文化、芸術、科学、哲学といったジャンルの文章がよく出題されますが、実はそれらのジャンルに関するありとあらゆるものが出題されるのではなく、出題されやすいテーマというものが存在します。例えば、言語に関する文章で頻繁に登場するテーマとして、「言葉は話し手の考えを100パーセント伝えることはできない」とか「言葉の意味は個人によって異なっていて、会話は言葉の公約数的な部分によって行われる」などといったものがあります。
 現代文を得意とする人たちは、実はこのテーマを知識として持っているのです。知っているからこそ、問題文を多少読んだ時点で、「ああ、あの話か」と予測を立てて読んでいて、ある程度の目処が立っているからこそ、難解に見える文章でも内容が把握できるのです。