朝日塾個別教室

国語の勉強 2~現代文ができない理由 その2~

 前回は「内容に関する事項の知識不足について」でした。評論文の問題で得点できない原因として、知識に関するものがもう一つあります。

 問題文を読んだとき、内容はある程度わかるけど、ぜんぜん違う選択肢を選んでしまう人、原因は「言葉の知識不足」が考えられます。
 評論文には、日常生活では馴染みの薄いものがよく使われます。そのため、評論文の中には、知らない言葉がかなり登場しているのです。ところが、「知らない言葉が使われている」とう自覚は、多くの人が抱いていません。「英語ならいざ知らず、日本語なんだから」という意識があるためです。また、「知らない言葉」といっても、極端に特殊なものではありませんから、それを目にしても、なんとなく見たことや聞いたことがあるため、その言葉が特異なものと感じられないのです。

 文中に、意味のわからない、あるいは意味の曖昧な単語が存在すると、正確な文意の把握は困難になります。けれども、読んでいる本人に言葉の意味がわからない、あるいは間違って解釈しているという自覚がないため、自分なりにわかったつもりになってしまいます。こんな状態で問題を解くと、ぜんぜん違う選択肢を選んでみたり、正解とは程遠い答案を書いてしまうのです。

 この問題を解決するには、まず自分が「言葉を知らない」という自覚を持つことです。例えば、「理念・観念・概念」、この3つの言葉の違いがきちんと説明できるでしょうか。あるいは、「具体」や「抽象」といった言葉の意味が正確に説明できるでしょうか。ちなみに、小論文などを書くときによくあることなのですが、「具体例」と「実例」を混同している人がかなり多く見られます。
 言葉の知識を身に付けるには、まず辞書を引く習慣を身につけることが大切です。意味がよくわからない言葉に出会ったときには、必ず辞書を引くようにするとよいでしょう。あるいは、書店に行けば現代文の語彙をまとめた参考書があるので、それを購入して学習するのも良いでしょう。