朝日塾個別教室

国語の勉強 4~現代文ができない理由 その4~

 前回は、「小説の深読みは禁物」というお話でしたが、今回は別の原因について述べてみたいと思います。

 小説の場合も評論文と同じく、正解に辿り着かない原因として、知識の不足が挙げられます。
 ひとつは、やはり言葉に関する知識です。例えば「おもむろに」という言葉の意味を「すばやく」だと思っていたり、「暁(あかつき)」を「明るい月」だと思っていたり、はたまた「鶏頭(けいとう)」を文字通り「鶏の頭」だと思っていたりしたために、間違った選択肢を選んでしまったという人がいました。
 正しくは、「徐に(おもむろに)」は「落ち着いたゆっくりとした動作」、「暁」は「夜明け前」。月とは何の関係もありません。「鶏頭」は植物の名前です。
 実は国語のマーク式問題の出題パターンとして、このような間違った意味で解釈されやすい言葉が文中にあった場合、間接的な形で言葉の意味を問うものがあります。「たぶんこのような勘違いをしている人がいるだろう」という予測の元に、それらしい選択肢をトラップとして仕込んでおくというものです。
 
 言葉の意味を正確に知らなければ、このようなタイプの問題に引っかかってしまうのは確実です。日ごろから知らない言葉に出会ったら必ず辞書を引くという習慣は、ぜひとも身に付けなければなりません。