高校1年生の皆さんにとっては新しい環境になって早2ヶ月になります。高校生活にも慣れた頃でしょう。
さて、高校での数学の勉強法について考えてみたいと思います。
数学は、中学から学習し、高校に入ってもタイトルが変わらないため、高校の数学は中学の数学の延長線上にあると思っている人が少なくないようです。たしかに数学の基礎的な部分として中学校の数学は存在しますが、その習得において要求されることは大きく異なります。
中学の数学では、基本事項を学習しそれを用いた応用問題を解くことに重点が置かれます。たとえば、三平方の定理を習ったら、それを使って解くことができる応用問題に取り組むといった具合です。そのため、数学には考える科目といった印象があるのです。
ところが、高校で学習する数学は「考える科目」ではありません。数学は「記憶する科目」なのです。もちろん難関大学の入試問題などは思考力が必要となりますが、これは十分な知識があった上での思考であって、わずかな知識で解けるものではありません。
たとえるなら、一人前の料理人になる修行をするようなものでしょう。料理人になるためには基本的なレシピをマスターする必要があります。多くのレシピを知った上で初めてアレンジや創作料理が可能になるのです。
高校の数学では、教科書に出ている例題を解法としてマスターしなければなりません。ただしこれは最低限です。学校で使用している問題集やチャートなどの参考書の問題は、ほとんどすべてがひとつの解法パターンなのです。つまり教科書や問題集に掲載されている問題はいちいち考えて解くのではなく、見た瞬間に解法の手順が思い浮かぶようにしなければならないのです。
もちろん、その量は膨大です。一朝一夕にはいきません。ですが、それをどこまで覚えることができるかで、大学受験での数学の能力が決まるのです。