朝日塾個別教室

数学の勉強 6~数学は記憶ものだけど その2~

 前回、「公式の証明をするといいいかも」と書きましたが、今回はもうひとつ別の案について書きます。数学の考え方を理解する上で、「公式の証明」以外にやっておいたほうが良いこと、それは「数学史」です。

 数学に限らず高校の理系科目では、生物を除いて、その歴史にふれることがほとんどありません。教科書に歴史的なことが書かれていないわけではありませんが、授業で歴史に関する説明があったり、歴史が問題として出題されたりすることはほとんどありません。
 たしかに、「出題されないなら知識としては不要」という考え方もできますが、先人たちがどのような経緯でそのテーマに関わり、どのように向き合い、いかにして真理の発見に至ったかは、自然科学を学ぶ上でたいへん参考になると思います。
 数学が苦手な人でも、数学史を学べば、数学に興味を持てるようになるかもしれません。数学を苦手とする人の中には、「なんでこんなことを勉強しなければいけないのか?」とか、「こんなことが実際の社会で役に立っているのか?」という疑問、あるいは数学に対する不信感を抱いている人が少なからずいます。そんな人でも、数学史を知れば、数学に対する見方が変わってくるかもしれません。
 「確率は、ギャンブル好きの貴族が必勝法を知りたかったことから始まった」とか、「無理数は発見された当初は極秘事項であった」などと聞けば、なんとなく興味がわくのではないでしょうか。

 ちなみに、かつて東京大学の入試で円周率の近似値に関する問題が出題されたことがあります。円周率は数学の歴史を少しでもかじると必ず登場するテーマです。アルキメデスの業績について知っていれば難なく解ける問題でしたが、不意を衝かれると難問かもしれませんね。