前回述べたように、物理において公式を導きだせるようにしておくことは非常に大切ですが、勿論それだけで物理ができるようになるわけではありません。当然、問題を解くことは必須事項です。
しかしながら、多くの問題に取り組んでも、なかなかできるようにならない人もいます。その原因の一つとして、作図が挙げられます。物理の問題を解くとき、図を描かない人は、必ずといっていいほど、物理ができるようにはなりません。
物理で重要なことは、問題で扱われている現象を把握することです。そのためには、図を描くことが絶対に必要です。例えば力学ならば、どのような力がかかっているかを把握するために、必ず図を描かなくてはなりません。問題の途中で条件が変化した場合には、新たな図を描かなければなりません。この作業を怠っていると、状況が把握できないので、問題を解くことができなくなってしまいます。そのため、状況が変わるごとに、新たな図が必要になるのですが、それを億劫がる人は、物理ができるようにはならないでしょう。
これは、力学だけでなく、波動や電磁気学の範囲においても同様です。物理が苦手な人は、「図を描こう」という意識を持って、問題に取り組むと良いと思います。