かつて私が担当した生徒たちの中で、センター試験後のリサーチの判定がCやDであるにもかかわらず、後期日程の小論文のみを課する大学を受験して合格したケースが多々あります。彼らは試験後、異口同音に「書けた!」というコメントを残しています。では、彼はいったい何が書けたと言ったのでしょうか。
彼らが書けたと言ったのは、「正解」です。
「小論文は自分の考えを書けばいい」と思っている人もいるようですが、それは大きな間違いです。小論文も出題された問題である以上、そこには必ず意図があります。出題者は無作為に抽出した問題を出題しているわけではありません。わざわざテーマを選ぶからには、そこには必ず狙いがあるはずです。
「このテーマを出せば、たいていの受験生がこんな感じの文を書くだろうな」
「こんな感じの内容を書いてほしいな」
「このテーマでこういう内容を書くような受験生はだめだな」
などと、考えながら出題しているはずなのです。
それゆえ、小論文を書く際は、出題者の意を汲むことが重要になります。
そして、出題の狙いを考慮した上で何を書くべきかを考えます。出題者の意に適った文こそが、小論文における正解なのです。
前回、小論文に重要なのは内容だと述べました。合格を勝ち取るためには、良い内容の小論文を書かねばなりません。では、良い内容の小論文とは何かというと、正解が書かれた小論文なのです。